これでデータ破損の心配はなくなったので、
心置きなく作業ができます。
取り掛かろうと思っている絵にも集中できるってもんです♪
今描こうと思っている絵は趣味として描いていますが、
締切日があるのでここしばらくは集中集中!
でも息抜きとして、
絵本の紹介とかブログも更新していきます♫
ずっと絵を描いていると引きこもり状態になってしまって気が滅入るので(;^ω^)
さて、
今回もアイヌの絵本を紹介します!
こちらです ↓↓
『火の雨 氷の雨
カムイユカラ・アイヌの神さまが話したこと』
文:かやの しげる
絵:いしくら きんじ
【出版社:小峰書店 からのあらすじ紹介】
沙流川を舞台に、星づくりの神の近くに住んでいるカンナカムイ、
竜の神が語るスケールの大きなアイヌの物語。
第35回造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞。
《ふうによる物語説明》
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のどかで美しいと言われるアイヌの国を
どうしても見たかった竜の神カンナカムイの息子は
「気が短いおまえは何をしでかすかわからない。
絶対に行ってはいけない」
という父神と母神の言葉も聞かずに
神の乗り物 シンタ(※1)に乗ってこっそりと家を抜け出しました。
下界へ目指して進んでいくと、
アイヌの村里 沙流川が見えました。
石は七色に輝き、虹のように流れる川
村の若者たちは、川でサケをとり、山で鹿を追う。
村の女たちは、楽しい歌をうたいながらウバユリをほる。
その姿は美しかった。
カンナカムイの息子はさらに上流を目指しました。
すると、アイヌの守り神オキクルミの村里がありました。
カンナカムイの息子が来る音に、
オキクルミは村人たちに言いました。
「尊い神がこられた。
祭壇の前に宝物をならべなさい。
働いているものはすべての手を休めなさい」
村の人たちは言われた通りに
カンナカムイの息子が通りすぎるまで静かになった。
その様子に感心したカンナカムイの息子は
シンタのつなを静かに引いて通り過ぎました。
次に見えたのは
オキクルミの家来 サマイュンクル の広い村。
カンナカムイの息子が来た音に
サマイュンクルもオキクルミと同じことを言って
村人たちに呼びかけました。
その言葉に村人たちは怒り飛び出し、
文句を言い合いました。
「神だからなんだ。
雷の音がするたびに動くな働くなと言うな。」
村人たちは騒がしく仕事の音を響かせた。
そして、ほうきによって辺り一面に埃も舞い上がる。
耳に響く嫌な音、埃に目も開けられず、
息もできないカンナカムイの息子。
挙句には、村人たちに汚い水を浴びせかけられてしまいました。
怒ったカンナカムイの息子はシンタの頭や尻を強く叩いた。
そこからは火の雨、氷の雨がなだれのように降り注ぐ。
村はあっという間に火の海となり、
美しかったは村は黒い村へと変わってしまったのでした。
だから今いるアイヌよ。
雷が鳴るときは、静かにしているものだよ。
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(※1)シンタはゆりかごという意味でもあるようですが、
ユーカラなどの話の中では空飛ぶ乗り物でよく出てくるらしいです。
最後のカンナカムイの息子が語った言葉、
「雷が鳴ると静かにしているものだよ」は
つまりは「雷が鳴ると危険なんだよ」ということを
教えてくれています。
絵本の最後に、この絵本の筆者でもあり
アイヌ文化継承の第一人者であられる萱野茂さん(※2)の
言葉が載っているのですが、そこにもこう書かれていました。
『雷の音が聞こえたら研ぎ物や針仕事などをしてはいけない。
金属性の物には落雷の恐れがあると村人たちに教えているのです。』
(※2)萱野茂さんについては《2014-11-27付》の記事内に
少しだけ書いてありますのでそちらで。
この教えも現代の私たちにとってとても大切なことですね。
ここ数年(?)ぐらい前から、
落雷によっての心痛むニュースも多くなり、
雷の怖さを改めて思い知らされている現代なら尚更で。
立派で頑丈な家の中に住み、比較的安全な中で生活をしている私たち。
そんな安全な中で生きる現代の私たちは、
雷に対しての危機管理の意識が乏しかったかもしれません。
そう思うと、
昔から伝えられているお話はおとぎ話だと聞き流さずに、
心から耳を傾けて聞くべき大切な言葉だと真摯に受け止めなければと
思わずにはいられません。
------で、まさかのこれを書いている時に一度
大きな雷が鳴ったのにはびっくりしたΣ(゚д゚lll)
あまり雨は降ってないけど、外は時々光ってるから、
念のためにノートPCを充電してるコンセントは抜いておこうかな。
雷落ちたら困る!!
さてさて話を戻して、
この物語ではとくに、
カンナカムイの息子が語るアイヌの国の様子、
村人たちの姿についての語るところが私は好きです。
上記の物語の紹介では
アイヌ民話では特徴的な語り口調では書かず、
何より原文から大きく要約しての内容紹介なので
実際に絵本を読まないと分からないですが。
その語りを読んでいると、
アイヌの国に暮らす人びとの生き生きとした姿が思い浮かび、
神様から見ても羨むほどの、とても自然美しかったことが伝わってきます。
その語りの部分は私としてはオススメです。
そして、この物語を飾る絵は以前紹介した絵本
『パヨカカムイ -ユカラで村をすくったアイヌのはなし-』
『 アイヌとキツネ 』
と同じ画家さんです。
まるで布を切って張り合わせたような
描き方で色使いが鮮やかでとても綺麗で、
アイヌの自然、村人たちの生活姿が彩り豊かに描かれていて素敵ですよ♪
山や川ひとつでも、あんなふうに様々な色を使って
表現することができたらいいなぁと思いながら、私は絵を眺めておりました。
ぜひみなさんも読んでみてくださいまし〜
最後に、このお話に出てきた
オキクルミとサマイュンクルについてちょっと。
このお話にもオキクルミが出てきましたね♫
それから、オキクルミの家来 サマイュンクル。
私は初めて聞きました。
そこでサマイュンクルについて調べてみたんですが、
(ところによってはサマイクルとも表記されていましたが)
見るとこ見るとこ内容がバラバラで・・・、
やはり地域によって違いがあるようですね。
たとえば、
「北海道の南西部あたりでは
オキクルミが善き者でサマイュンクルが愚か者」
「北海道の東北部あたりでは
サマイュンクルが善き者でオキクルミが愚か者」
としているらしく、その地域によって信仰対象が違っていたようです。
そして、オキクルミとサマイュンクルの物語は
どちらかが成功し、もう一方が失敗するという話が多いとか。
今回のこの絵本でもまさにそんな感じでしたね。
オキクルミは村人たちに人望がある様子だけど、
サマイュンクルは村人たちに聞く耳も持ってもらえず、
まるで人望のなさな感じが・・・。
また二人の関係性でも、
オキクルミとサマイュンクルは兄弟としていたり、
物語によっては兄弟が逆転していたり、
また隣り合う村の酋長同士などなど
素性も関係性もまったく統一性がないということです。
南西と東北ではまったく逆に言い伝えられている
二人の人柄、関係性、物語の質----------うん面白いっ!!
そんな二人について調べていたら、
南西と東北でオキクルミとサマイュンクルの違いの差に
南西と東北でなにがあったのかから始まり、
オキクルミとサマイュンクルについて見解している文書がたくさんあって
読んでいてとても興味深かったです。
まだまだ調べきれていないので
時間ができたら、もっとよく調べてみて
自分なりに深く知りたいなぁと思います!
それでは今日はここまでヾ(@⌒ー⌒@)ノ
イヤイライケレ!