イランカラプテ!
クリスマスを過ぎると、もうすぐお正月。
今年もあと少しですね。
今日も、カムイ・ユーカラシリーズの絵本の紹介します。
『エタシペカムイー神々の物語ー』
文:藤村久和
絵:手島圭三郎
《出版社からの内容紹介》
カムイユーカラシリーズ第5弾。
いつも自分が一番偉くて強いといばって小さなさかなや、
大きなけものをいじめてなかせているトドのたいしょうが、
山に住むヒグマのほうが自分より強いとうわさに聞く。
どちらが強いか、一対一の勝負をしようと旅にでるが・・・。
このお話の主人公の神様は海洋の神さまであるトド(エタシペカムイ)。
自分より強いものがいると聞くと腹が立つ性格で、第3弾の主人公オオジシギ、第4弾の主人公うさぎとはだいぶ違って、弱いものいじめをする困った神さまです。
自分より強いつ噂のヒグマに勝負を挑むトド、そんなトドをこらしめ、みんなを守るためにヒグマもその勝負に挑みます。
私の勝手な想像で、すぐに決着がつくものだと思っていたんですが、まさかのまさかで、そのケンカは2年、3年も続く長長長ちょ〜長期戦。
さすが神さま同時のケンカです(´Д`;)
人とは違ってスケールがぜんぜん違いますね。
それだけなく、ケンカの中で互いに食いちぎられた体の一部が小さなトドとなって海へ、または、小さなヒグマとなって山へと飛んでいったんです。
自分の体の一部から新たな命が生まれるというのは、神さまならではだなと感じました。
でも、そのせいで自分の体自体がだんだんと小さくなり、最後には体中がボロボロの小さな体となってしまい、2匹の神様のケンカは終わりました。
ケンカを終え、小さくなったヒグマは最後にこう言いました。
「けっしてむだなけんかをするな。じまんもするな。
よわいものいじめをするなよ。なにもいいことは、ないのだから」
ヒグマが教えてくれるこの絵本の教訓は
今のこの世の中、何より伝えるべき心なのかもしれません。
「弱い者いじめをしないこと」
「争いからは何も生まれない」
この心を揺るがずに持ち続けて社会のなかで生きていくのは、けっこう難しいというか、それなりの強い意志が必要な気がします。
だからこそ、何より大切な言葉で伝えていくべきものなのだと思いました。
ん~、やっぱり私のこの頭ではうまく伝えきれないですね・・・。
と、とにかく、このヒグマの教えはとっても大切だと思いましたってことです!はい!(←逃げた)
あ!
それと、「このお話面白い」と思ったところがもうひとつ。
トドが主人公のお話だから、最後の語りかける教えの言葉もトドがいうのだろうなぁと思っていたら、途中で視点が変わって、山の神さまであるヒグマの語りに変わったのには、ちょっと意表をつかれました。
今までこのシリーズはタイトルになっている生き物たちが、最後に身を持って学んだことを、私たちに教訓として語りかける流れだったので、てっきり今回もそうなんだと思っていた私には少しびっくりでした。
でも、そこが私にはとても面白いと感じました♪♪
ぜひ、読んでみてくてください!
ヒグマが登場してくる版画絵はとてもは迫力がありますよ!
あと、最後の夕暮れの中に立つヒグマとその風景が素敵です。
そこもおすすめですよヽ(*´∀`)ノ
イヤイライケレ!